2010年11月19日金曜日

018_村山悟郎→

彦坂くん

 どうもです。
 前回の往復書簡の大部分はクリスチャン・マークレーの展覧会*のレビューになっちゃいましたね。番外編といった感じでしたので、続けてこちらから書かせてもらいます。


 今、ロンドンへ滞在しているのは東京芸大の交換留学制度によるものです。ロンドンではUniversity of the Arts London, Chelsea College of the Arts and Design, MA fine art courseで学んでいます。
 そこで学び始めて一ヶ月弱になります。僕の今期のチューターはDexter Dalwoodというペインターで、2010年のTurner Prizeにもノミネートされている人なんですが、先日11月17日に最初のチュートリアル(スタジオでの面接講評のようなものです。)がありました。
 僕の拙い英語では作品についてまともに話すことができず、それを見かねたDexterは、僕に対して6つの質問を、わざわざ親切にも紙に書いてくれました。後日、返事をするように言い、紙を渡してくれたDexterの、その6つの質問をここで紹介したいと思います。


「Dexterから村山へ6つの質問」


 1: What do I want to get out of being in Chelsea.
  チェルシーカレッジMAファインアートコースで学ぶことから何を得たいと思うか?

 2: Why do I weave the canvas and prime sections.
  なぜ、キャンバスを織り、下地を施すのか?

 3: Where does the work 'exist' ?
  
作品はどこに「存在」するか?

 4: If the painting looks ornate or decorative,
  relating to Folk Art is that a problem?
 
あなたの絵画がフォークアート(プリミティブアート)と関係しながら、
  飾りたてるように、あるいは装飾的に見えるとしたらそれは問題か?

 
 5: Conceptually where does the work fit in terms of paintings recent history?
  コンセプト上、その作品は近年の絵画史においてどの地点に位置するか?

 6: How can I develop and more the forward?
  どのように発展し、前進することができるか?
  



 この往復書簡で、このDexterからの質問にこれから答えてゆきたいと思います。それは、僕がTRANS COMPLEXという展覧会企画で目指すものに必ず符号してくると考えるからです。

村山悟郎




*Christian Marclay "The Clock" (WHITE CUBE GALLERY) 15 Oct—13 Nov 2010

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